大阪革新懇一泊学習交流会での発言・田崎純人・2002・11・17

 大阪損保革新懇の田崎です。職場は渡哲也以下の石原軍団がテレビ・コマーシャルでやっている日本興亜損保で、その職場革新懇の世話人をしています。

 本来なら、損保革新懇の野村代表世話人か三浦事務局長が報告発言するところですが、この間の単位職場革新懇の取り組みの経験を報告し討論に参加したいと思います。

 損害保険産業は引き続き「金融ビッグバン」が進む中、昨年4月のあいおい損保、日本興亜損保、10月の三井住友海上の合併統合に続き、12月には「大成火災の破綻」が報じられ、今年4月には「ミレア・グループ」そして7月から「損保ジャパン」と大型合併・統合へと進みました。そこで働く仲間の状況も激動・激震の最中にあります。

 今、職場で働く仲間は、産業の精神である「一人は万人のために万人は一人のために」が置き去りにされ「儲けのためなら何でもする」方向に進もうとしていることに深い憂慮と不安そして様々な問題意識と意見をもっています。私たちは、損害保険産業が果してきた、社会性・公共性に誇りを持って働き続けてきました。

 一方、市場原理万能主義や規制緩和万能論のもと生き残りをかけた相次ぐリストラ策は、そこで働き続けてきた者の「誇り」や「良心」をも消失させ、この間多くの仲間がこの産業から去って行く結果をもたらしました。

 そんな中、私達は、昨年の第4回総会で3年間の運動を振り返り到達点を明らかにした上で「損害保険産業は戦争で発展する産業ではありません。世界の平和や日本経済の健全な発展と国民生活の向上と共に地道に成長し、この発展と向上を支える産業です。」とアピールで述べ「さあ、いよいよ革新懇の出番“あらゆる職場に革新懇の風を吹かせよう”」と呼びかけ4年目の運動をスタートしました。

 この1年「職場に根ざした革新懇を」「より多くの仲間が参加する革新懇運動を呼びかけ400人の会員にする」「大阪損保革新懇のホームページを開設する」を中心に取り組みを進め、明日の年次総会を前にして会員約束で念願の400名を越える事ができました。そして、ホームページは4月17日より開設し、業界4紙にも紹介されるとともに、開設以来7ヶ月間に1700件近いアクセスがありました。

 何よりも、この1年間の運動を通じて文字どうり「職場に根ざした革新懇の存在」と「仲間の良心の拠り所」としての職場革新懇に成長しつつあることです。それには、各職場革新懇の様々な取り組みがありました。

 企業の合併と労働組合の分裂攻撃という大混乱の中でも世話人会を開き、80名の会員をめざす損保ジャパン革新懇。2回にわたり日産、大成の仲間を講師に呼び合併の職場の仲間の状況を聞くと共に、革新懇の団結をはかり一部は青年を含め朝5時まで語りあかした日新革新懇。合併の混乱の中でお互いの企業文化の違いを乗り越え、千代田・大東京の革新懇会員が結集したあいおい革新懇。月1回の世話人会を継続しながらゴルフコンペを開き職場革新懇の存在をアピールしている共栄革新懇。

賃金切り下げ、退職金・年金改悪がたくらまれる中、2回の革新懇ニュースの机上配布をして、「年金学習会」を開いた日本興亜革新懇。京阪神1300名にニュースをまいて16名の参加でしたが、中にはニュースの地図を片手に場所を探してこられた神戸の仲間もいました。

今、職場には、二つの仲間の期待が大阪損保革新懇に寄せられています。

一つは、労働組合の枠を超えた革新懇運動に対する期待です。企業の統合・合併の中で闘う労働組合・全損保への分裂攻撃は熾烈を極め、その組織力の低下が現実のものとなればなるほど、ますます労働組合の枠を超えた革新懇への期待は大きいものがあります。

二つ目は、業界や行政を動かす視点を持った世論づくりへの期待です。

この間、大阪損保革新懇政策提言プロジェクトを発足させ、「大成火災破綻問題」「商品問題」と学習を重ね、業界・行政に物を言う.そのための世論づくりに着手しつつあります。

今回の総会案内ビラには、商品開発の問題点を「今日子と明日香のいまどき問答」として、仲間にもわかりやすく問いかけ、好評を得ています。

つい先日、静岡県浜北市の代理店から、大阪損保革新懇事務局へ、第2回総会の品川講演パンフ10冊を再度送ってほしいとの電話がありました。今、中小の損保代理店は、企業の論理によって、切り捨てられようとしているのです。品川正治氏は、元日本火災社長であり、経済同友会元副代表幹事を務めた方ですが、3年前の講演で言われたことが、「その通りだ。仲間にもぜひ読んでもらいたい。活用したい。」との申し出なのです。

私たちは、これらの期待をしっかり受け止めて、5年目の運動を積極的に展開していきたいと思います。

明日、11月18日の第5回総会は、ジャーナリストの大谷昭宏さんを講師としてお招きし、「今、あらためて『大企業の社会的責任』を問う」と題する講演をしていただくことにしています。参加の約束も、品川講演依頼の300名を超える仲間からいただいていますが、今の職場状況は、なかなか容易ではありません。仕事を切って駆けつける・参加すること自体が「たたかい」と言えます。

仲間の革新懇への期待を集めきる年次総会にすべく最大の努力を払って成功させる決意を申し上げ発言とします。