大阪損保革新懇ニュース bT3  2004.5.25

緊急開催の講演会『これがイラクの』大成功!
 講演会に128名、懇親交流会に76名が集う!
   講師:イラクの子どもを救う会・吹田市職員 西谷 文和 氏
イラクの本当の姿を見たい!
子どもたちの生命を救うために危険を承知で訪問!


5月14日(金)、大阪損保革新懇主催による西谷文和氏(吹田市役所勤務)を講師に招いての講演会『これがイラクの現実』は、連休をはさむ短期間の取組でしたが128名の参加で成功しました。
田崎世話人の司会で始まり、野口事務局長が世話人を代表して開会挨拶をしました。
講演に入り西谷文和氏は、11月に撮影したビデオ映像をプロジェクターを活用して紹介。劣化ウラン弾による、子どもたちの悲惨な現状、米軍によってことごとく荒らされた市街地の被害の実態が報告されました。
「自衛隊派兵によって反日感情が高まり5名が拘束された。国連や赤十字が撤退した今、民間の援助が果たす役割は大きい。イラクでは米軍によって1週間で1000名もの罪なき人々が殺されている。
子どもたちの生命を救うためには、危険を承知で行かねばならなかった。日本で人質事件を通じて政府と一部マスコミが『自己責任論』で騒いでいたのはおかしい。」など、生々しい実態の報告と、西谷さんの勇気ある行動に参加者一同胸を打たれました。なお、講演会の後の懇親会には76名が参加、西谷さんも出席され、熱気あふれる交流会となりました。


《講演要旨》  講師 西谷文和氏

西谷さんは、劣化ウラン弾による白血病などに苦しむイラクの子どもたちを支援するため、昨年11月にもイラクを訪問。
今回4月5日からイラクに医療品を届けるためバクダッド入りし20日に帰国されました。帰国後は、吹田市職員として勤務のかたわら報告活動に忙しい毎日を送っておられます。

拘束された3人とは紙一重だった
医療器具や薬を届けた。子どもたちの生命を救うためには今行かなければ、イラクの本当の姿を見たいと、危険を承知で訪問した。これまでもコソボ、パレスチナなど紛争があれば有給休暇をとってその国に訪問してきた。
ヨルダンのアンマンから陸路で4月5日にイラクに入国し、バグダッド入りした。2日後に3人が拘束された。本当に紙一重だった。
彼らは、人道支援のボランティアとイラクの現実を伝えようとするジャーナリストだった。
バッシングもあるが励ましも多くせめぎあいの時だ。

ライフラインを破壊したアメリカは最悪
昨年11月の時点では、イラクの人々は「フセインもアメリカも両方ともイヤだ」という声があったが、今回は「アメリカは最悪だ」と言っている。
イラクの大部分が空爆され建物はことごとく壊された。発電所、電話、テレビ局とライフラインを破壊された。アメリカの占領が長引くにつれ、ゲリラの反発も激しくなり治安が悪くなる。失業は増え、物価は上がる。「フセインの方がまだましだった」という声もある。
1週間で1000人もの罪なき人々が殺されたのに、日本では「自己責任」で騒いでいた。
劣化ウラン弾による白血病やがんで苦しむ子どもたちがどんどん増えている。点滴だけの治療で、4月には元気だった子が亡くなっている。国連も赤十字も入っていないので国際的な援助ができない。今支援しなければ死者が増えるばかりだ。

(その後、ビデオとスライドの映像を交えて講演が続きました)

石油省のビルだけが無傷で残っており、イラク戦争の本当の目的が明らかだ。フセイン時代に弾圧によって18万人が殺されたり、家を奪われて難民キャンプが増えている。今は、アメリカ兵に銃を突きつけられながらの生活だ。
サドル師の肖像画を飾っていただけで銃撃された家もある。
刑務所での虐待事件は、戦争が以下に人間の心を失わせるかを示している。

イラクでは人道支援として有名な人たち
拘束された高遠さんはイラクでは人道支援する人として有名な人だ。4月16日に解放されたが、日本政府が対応したからではなく、高遠さんと今井君の活動がゲリラにわかったからた。自衛隊の支援にきているとなったら殺されていたかもしれない。小泉総理の「テロリスト発言」で(ゲリラ側が)態度を硬化させ解放が延びた。日本政府に感謝とかお金を払う必要はまったくない。

今こそかゆいところに手が届く本当の国際貢献が必要だ
劣化ウラン弾というのは、「悪魔の兵器」と呼ばれ、1991年の湾岸戦争で使用された。戦争が終わって被弾した戦車などで子どもたちが遊ぶと、ウランを吸い込んで肺の中で核分裂がはじまり体内被曝することになる。米軍はサマワでも使用している。自衛隊員は屈強な若者だから自分には出ないかもしれないが、彼らの子どもに出る場合があるだろう。早急に国際的禁止条約を締結するべきだ。
今こそ、かゆいところに手が届く本当の国際貢献が必要だ。


《参加者からの感想》

憲法9条を守る世論を強めよう
戦争の悲惨さを再認識し、アメリカに対する怒り・憤りが最高に高まりました。それを支持する小泉内閣への怒りがいっそう沸きました。戦争に反対し、憲法9条を守り、世論を強めることが今ほど大切な時期はないと決意を新たにしました。(Nさん)

心の底から怒り 戦争は絶対許さず
イラクの真実の一端を知り、心の底から怒りと悲しみに身が震えました。戦争は絶対許されない。虐殺の虐待も、人間の命、尊厳を踏みにじる行為は、どんな理由をつけようとも許されません。現実から目をそむけず、子どもたちが犠牲にならず、彼らの命を救う行動をしたい。(Eさん)

なぜマスコミは真実をとりあげないのか
吹田市報などで以前からイラクレポートを読ませていただいていましたが、生の声で聞いたイラクの現状は衝撃でした。なぜこういう真実をマスコミは大きく取り上げないのでしょうか。年金の不払いばかりが大きく報じられる日本、そのマスコミのニュースのみで右往左往する日本人とは何なのでしょうか。人質になった3人の人たちにさえ真実の姿を聞こうとしないバッシング。ぜひ多くの人に真実を伝えてほしい。今日の企画ありがとうございました。(Hさん)

白血病やがんで苦しむ子どもたちに驚き
これまで講演会には参加したことがなく、戦争の悲惨さ、劣化ウランによる白血病やガンで苦しむ子ども達など自分が知らないことばかりで本当に驚きました。さっそく翌日、彼氏に講演会の話をしました。(Yさん)



交流会でカンパ41,000円集まる!
交流会は、お店の一定部分を事前に予約していましたが、参加者が多く座席は満杯状態。西谷さんの周りは女性群がぎゅうぎゅう詰めとなりました。西谷さんへの質問が集中し、食事をとりながらたいへん盛り上がりました。
西谷さんが「秋ごろまたイラクに訪問したいので、その時は『ワンコイン』のカンパをお願いします」と訴えたところ、隣の席に座っていた女性から「その時まで待たずに今この場所で『ワンコイン』といわずカンパしましょうよ」と提案されました。すぐさま女性のバッグが各テーブルに回され、あっという間に総額4万1千円が集まり、西谷さんに手渡されました。