ニュースNo.49. 2003.10.24.

結成5周年・第6回定例総会に214名が参加
総会アピールを採択
平和憲法を軸に!
さらに『革新懇らしく』運動をすすめる!


 10月15日(水)に開催した大阪損保革新懇第6回定例総会は、214名の参加で成功させることができました。議事については、活動報告・会計報告・運動方針について文書報告とし、野村代表世話人の開会挨拶のあと、記念講演「平和憲法を考える」をテーマに品川正治氏(経済同友会終身幹事・日本興亜損保相談役)の講演に入りました。4年ぶり2度目の招請ですが、品川さんの平和憲法に対する熱い思いを今の情勢と切り結んで縦横に語られ、参加者一同の大きな感動を呼びました。
 『結成6年目、さらに“革新懇らしさ”の運動をすすめよう!』の2004年度総会アピールを採択し閉会しました。二次会(交流会)には、品川さんを囲んで107名が参加し互いの交流を深めることができました。


記念講演 「平和憲法を考える」 品川正治氏
『平和憲法』こそが日本の国際協力・国際貢献の力

 品川さんは冒頭、「総会に講師として招かれたことを、心密かに誇りに思っている」と、私たちへの連帯の思いを述べられました。
 そして、「これからの活動や個人の座標軸として考える場合、3点について抜かしてはならない。」
@「主権者」は私たち国民だということ
A「日本はどうあるべきなのか」を考えること
B狭い横道から、街角・大通りにでてものを見ていく考え方が必要

 この点を前提に平和憲法について話をすすめられました。
 「これからの日本はどうあるべきなのか、どこに行こうとするのかを考える場合、戦後58年間の日本の国家目標はなんだったのか、そしてどこまで達成されたのかを総括する必要がある。私は大きく分けて4つあったと考える」と、

その1 平和憲法・平和を国是にしてきたこと
 平和憲法を国是にしてきたことで日本は、戦後一人の外国人も「国権の発動(=戦争)」で殺していない。これは世界で誇るべき輝かしい歴史であり、平和憲法は、私たちが胸を張ってこれからも守るべきもの。

その2 「経済大国」を実現した
 戦後の廃墟の中から、「経済大国」をめざし実現してきた。しかし、今や日本の経済大国の条件は大きく変わった。経済成長の呪縛から抜け出すことが今必要。「経済大国」としての国家目標はもう終わったのだから引っ込めてもらいたい。


その3 「中産階級国家」をつくること
 長年の自民党政治は、本来の「市民」として社会・国を支える役割を果たさず、「もっとよこせ」という中産階級をつくってしまった。小泉改革はその典型だ。「改革」を言うなら、市民として国家を支えていく階級に変えていく政策が必要だ。

その4 国土の「均衡ある発展」を実現しようとした
 この分野で最も早くから矛盾が噴出し、日本は公共事業国家となり、中央集権を招いてしまった。今こそ、ほんとうの意味の地方分権の方向にもっていかなければならない。

発しつづけるべき「3つの問い」
 世界と日本が激動期にはいった今、21世紀に向けて発し続けなければならない3つの問いとして
@民主主義とは何か
Aアメリカを問う その力は「平和憲法」である
B小泉内閣を問わざるを得ない
を挙げ、最後に品川さんは
「『どう変えるか』をはっきりさせれば、この国のあり方も、主権者として自らがどう臨むのかも自分で決められる」

「『変えようと思えば変えられる』ということを忘れずに主権者として行動すること」を訴えて講演を結ばれました。


大阪損保革新懇2004年度・第6回総会アピール
「結成6年目、さらに"革新懇らしさ"」の運動をすすめよう!

 私たち大阪損保革新懇は、本日結成満5周年を迎えました。
 この5年間、損害保険産業は、「市場原理」万能主義のもとで企業の大型合併・統合が相次ぎ、そこで働く私たちも激動、激変の状況に直面してきました。                        
私たちは、「平和・民主主義・生活向上」の革新三目標と「21世紀の損害保険産業のあり様」を問いかけて革新懇運動に参加しました。そして私たちの主張は、
@ 損害保険産業は、世界の平和や日本経済の健全な発展と国民生活の向上と共に成長し、この発展と向上を支える産業であること。
A 産業の精神である「一人は万人のために、万人は一人のために」を原点に、社会性公共性を発揮する産業として発展し、国民生活の安全と安心に役立つこと。
B そこで働く者の願いは、損害保険産業の誇りをもって働きがいのある生活と人生を送ることです。                                
 この間、私たちは各界・各分野で活躍されている講師を招いての講演会、シンポジウムや集いを開催し、ニュースの発行・ホームページを開設し情報の発信と共有をおこなってきました。
私たちの主張と提言そして運動を通して、立場の違いをこえた多くの幅広い人々から賛同と共感が寄せられ、多くの感動、勇気、元気を分かち合うことができました。
あらためて私たちは、「職場に根ざした革新懇の存在」と「仲間の良心」の拠り所として大阪損保革新懇のさらなる成長をめざします。
 今、私たちが直面している情勢は、「小泉構造改革」によって国民の暮らしと日本経済はかってない危機にさらされ、長引く不況と失業・雇用不安などで国民にたえがたい「痛み」を押し付けようとしています。
アメリカのイラク戦争によって世界の平和に困難が持ち込まれ、これに対し小泉自民連立内閣は、戦後はじめて自衛隊を海外へ派兵しようとしています。しかも自民党結党50周年までに「改憲案をまとめる」と公言しています。平和憲法とりわけ憲法第9条は日本と日本国民が世界に誇るべきものです。
私たちは憲法改悪を許すことはできません。
 今、金融・損害保険産業は、巨大損保会社が生まれ保険産業の本来の役割を発揮せず、際限のない過当競争とシェアー競争に明け暮れ、大規模なリストラ・人減らしを進めています。その結果、職場では賃金不払違法残業(サービス残業)・長時間労働・休日出勤などが恒常化し、賃金合理化も重なり、モラルの低下を含め私たちの働く条件は著しく悪化しています。
 私たちは、このような産業の状況に深い憂慮と不安を持ち、大企業の社会的責任と働くルールの確立を強く求めていきます。
 社会的役割を発揮しようとせず、人間を大切にすることを忘れた産業・企業に本当の未来はあるのでしょうか。
 「働いて良かった」と言える産業・会社、「生きていて良かった」と言える社会・人生を築いていくために、ともに手を取り合い、力をあわせて展望のある未来を切り開いてゆこうではありませんか。
私たち大阪損保革新懇は、結成6年目さらに革新懇らしさの運動をすすめ、一人でも多くの方が参加されるようにみんなで奮闘していこうではありませんか。

2003年10月15日
                          大阪損保革新懇第六回総会