ニュースNo.43. 2003.6.23.
講演会に125名、二次会・75名が集う!
講演を力に!まっとうな経済活動・
働き方・企業のあり様を問う運動を!
  この秋、結成5周年記念総会に向けて

 6月11日(水)開催した「ストップ!労働法制改悪=大企業の社会的責任と働くルールの確立を!」講演会(講師:関西大学教授・株主オンブズマン代表・森岡孝二氏)は125名の方々の参加をいただきました。
 先生の講演は、「まっとうな経済活動・まっとうな働き方・まっとうな企業のあり様」が今ほど問われている時はないことを、最近の「りそな銀行問題・企業の不祥事件・過労死問題・残業料不払い問題」等の実例を上げながら強調されました。そして「企業の常識が社会の非常識」になってはいないかを私たちに問いかけ、「今こそ人間が大切にされる社会・経済システムを!」と講演を結ばれました。
 さらに、3つの職場(あいおい・日本興亜・損保ジャパン)の代表から、合併後の職場の実態と「労働法制改悪を許さない闘いは職場から」と決意あふれる報告がありました。
 この秋、結成5周年記念となる定例総会に向けて、さらに幅広い職場の仲間との対話運動を呼びかけました。先生の講演は、これから私たちが運動を進めていく上で、多くのヒントと勇気を参加者に与えていただきました。


講演要旨 
森岡孝二氏(関西大学経済学部教授・株主オンブズマン代表)

 講演の要旨は、最近の新聞投書から過労・ストレスで悪化する労働と生活について幾つかの報告のあと、バブル崩壊と不良債権問題や貸し渋り、貸し剥がしが中小企業の経営危機がさらに一層日本経済の混迷と金融システムの危機となっている。
 日本的長期雇用システムの終身雇用が崩壊し、リストラ下の人員削減によって大量の失業者が生まれ、さらに雇用形態が多様化しパート・派遣などの非正規雇用が増大している。
 将来不安による生活防衛、消費抑制、仕事と収入の不安、年金や社会保障の不安がより拍車をかけている。
 最後に日本経済再生のシナリオは、@社会保障(社会的セーフティネット)の整備・拡充、A企業犯罪であるサービス残業を根絶させる。女性のおかれた日本の社会的地位は著しく低く男女平等には程遠い存在であるが、資本主義の中でもルールを守れば無くすことができる。解雇を規制することによって企業の社会的責任をはっきりさせることである。
 あたり前の賃金が支払われ、労働時間がきっちり守られ、家庭生活・個人生活をエンジョイできるようにしていく。そして身体・健康を維持し、それによって消費も活発になっていく。そういう経済の仕組みをつくることです。
 高度経済成長至上主義からの決別、成長率は低くても生活が安定した社会をつくること。まっとうなルールとしては「企業の社会的責任をちゃんとさせること」と「まっとうな働き方を確立する」この二つから始めていく事が当面みえてくる日本経済の再建につながっていくのではないかと講演されました。

参加者の感想

 遠方の出先の職場なので、6時半には絶対に遅れないように参加しようと朝から必死の思いで仕事をした。開会に間に合い、森岡先生の講演を聞いて明日から頑張らねばと思いました。(Aさん)

 森岡先生の「サービス残業が蔓延している状況で法令遵守といってもチャンチャラおかしい」という話に、私も本当にその通りだと思った。明日からサービス残業はやめようと思う。(Bさん)

 毎日が仕事で追われているので、講演を聞いてみんなと逢えるのが楽しみだ。二次会で飲んでしゃべりまくるのが革新懇のいいところだ。次回も必ず参加します。(Cさん)