ニュースNO.41 2003.3.14.

イラク戦争反対は

  人間の想像力が問われるたたかい!

 私たちはイラク戦争に反対します!

 平和であってこその損保産業 アピールを採択

講演会に128名が参加 2次会(交流会)に75名が集う


 緊迫するイラク情勢が連日報道されているなか、国連安保理で査察団の最終報告がされる3月7日(金)「平和な世界を!いきいき働きたい!二つの思いを重ねて」と題した講演会を開催しました。「私たちはアメリカの対イラク戦争に反対します。平和であってこその損保産業です。今こそ職場で、地域で国際的世論の一翼を担う諸行動に参加しようではありませんか。」と開会の挨拶で呼びかけました。

 弁護士の長岡麻寿恵先生(ニューヨーク州登録弁護士)の講演は、「2年間のアメリカ社会での生活体験を通じて、「自由競争の思想」「自己責任」「規制緩和」がすべての国で、そこで見えたことは「貧困・暴力」そして「強い者が勝つ!」「戦争OK!」の風潮でした。日本社会のアメリカ化が進められようとしていることに、深い懸念と危険を抱かざるをえません。アメリカのイラク攻撃に反対することは、“人間の想像力が問われる”たたかいです。」と強調されました。


講演要旨

 「規制緩和」最先進国のアメリカ社会

 ニューヨークの弁護士資格を得るためにロースクールに通い、2歳と1歳の子供を連れてアメリカで2年間過ごした先生は、いま「規制緩和」という政策が推し進められているが、「いったいこの国をどこへ追いやろうとするのか」を自らの生活体験から話された。

* 健康保険のないアメリカは、病気や怪我の治療はすべて民間の保険にまかされている。病院に行くとまず「どんな保険に加入しているか」が確認され、加入内容によって病院や治療の格が決められる、まさに「松竹梅コース」式の制度です。

  • アメリカは母子家庭の子供が多く、女性が働くためには子供を育てる施設が求められるわけですが、この施設もすべて民営の施設です。私は月15万円の保育料で子供を入所させました。安い施設もありますが子供の虐待や放置となり、安心して知的教育を受けようとすれば高い保育料を払わなければなりません。病気治療も保育も金次第といった具合です。
  • 学校も利潤を生み出す現場です。たとえばコカコーラの自動販売機を設置するなどです。刑務所も民営化が始まっています。
  • 公選弁護士による裁判の誤審率が高いといわれていますが、(日本では国選弁護士)これも弁護士費用の影響といわれています。
  • 福祉や教育に余り使われないアメリカの国家予算のもとでは「自助努力」「自己責任」「自由競争」の思想が徹底され、一方で母子家庭と子供の貧困化が進み暴力や怒り・欲求不満を生み出し、社会不安・治安悪化につながっていくのです。貧困と富の拡大再生産が同時に進行しているのです。私がアメリカ社会で見えたものは「貧困・暴力」そして「強い者が勝つ!」「戦争OK!」の風潮でした。

 日本がアメリカ化されようとしている!

  • 私は1998年に帰国しましたが、驚いたのは日本の「規制緩和」オンパレードでした。
  • 仕事で自動車事故の賠償問題で自動車保険にかかわることがありますが、契約者にどこまで理解されているのかと思わざるをえないほど保険が細分化されています。このまま規制緩和や自由化が進んではたしてセーフティネット機能が果せるのか、金儲け優先・反社会性を進行させるのではないか。
  • 私がいま危惧しているのは、労働法制の一連の改悪の問題です。規制緩和が進むもとで労働に関する「規範」を守ることは非常に重要です。非正規雇用が増えしかも派遣労働者が増えています。解雇規制法は「解雇自由化法」に変質されようとしています。また若年定年制導入の合法化や派遣業務の拡大、裁量労働の拡大等々、労働の規範が崩されようとしていることです。

 「イラク攻撃」反対は、人間の想像力をかけたたたかい

  • 問題は、いま働く者が長時間・過密労働の状況におかれ、正規雇用労働者は「3倍働け!」と言われ、一方で失業者が増える状況は、人間にしか持ち合わせていない「想像力」を持たない人間を作り出そうとしているのではないかということです。平和な世界を!いきいき働きたい!この二つの思いを実現するためにも、アメリカのイラク攻撃に反対することは、人間の「想像力」をかけたたたかいと言えるのではないでしょうか。

長岡弁護士の講演を聞いた仲間から早速感想を寄せていただきました。

 

最近アメリカに関する本を読んだが貧困・暴力のおかれている状況について先生の講演は良く理解できた。次の機会にもぜひとも参加したいので誘ってほしい。 Aさん

イラク攻撃について長岡先生は想像力の問題だということがよく理解できた。先生がはじめにパネルにある平和の世界は誰よりも願っている。いきいき働き続けたいという思いも誰にも負けない。でもこの二つの思いを重ねての講演は大変難しいですが、頑張ってお話しますというのが印象に残った。 Bさん

3月の年度末の追い込みのすごさは大変だった。みんなに勇気を出して誘うことは大変だが訴えるしかない。仕事切りをして参加することが自分とのたたかいです。でも革新懇のつどいに参加してみんなの顔を見て元気がでた。 Cさん

先生の講演は少し難しかったが最後のイラク戦争反対のアピールの損害保険産業は平和産業であるということがよく理解できた。絶対戦争はだめだ。 Eさん

全国革新懇ニュース3月15日付 247号「ひと」欄に掲載される

元気でやかましい「新老人」めざす 野村英隆さん(65)

結成5年で会員400人に成長した大阪損保革新懇の代表世話人。

「好奇心旺盛」「ネアカ」と仲間から評され、大阪・釜ヶ崎の炊き出しボランティアに通うクリスチャンでもあります。

 83年全損保委員長を退任後、日本火災初代広報部長として活躍。

 損保革新懇結成翌年には元上司の日本火災相談役、品川正治氏(元経済同友会副代表)を招いた講演会を開催。損保各社の管理職を含む360人が参加しました。

 昨年夏、直腸ガンを患いましたが「明るい」闘病記を刊行。労組後輩への不当労働行為事件も支援する情熱と行動の人です。