No.27. 2001.11.8  

 第四回年次総会一七三名・二次会に一〇五名の仲間が参加

   すべての職場に「損保革新懇」の風を

 総会は野村英隆代表世話人の開会挨拶のあと、記念講演−どうなる・どうする損害保険産業−『顧客に支持される保険文化の構築へ』と題し、元保険毎日新聞損保版編集長・保険ジャヤーナリスト中崎章夫氏の講演を受けました。最後に総会アピール『あらゆる職場に“損保革新懇”の風を吹かせよう』を共栄火災米沢さんが朗読提案、万場の拍手で採択し、四年目のスタートを切りました。

 以下、中崎氏の講演の要旨を紹介します。

 産業の未来は、顧客に支持される保険文化の構築

  二年前の品川講演は「料率競争、リストラ、企業社会の贅沢さ、損保ブレーキ産業論、セーフティネットとしての代理店制度の死守」の各論について問題提起をされた。

 氏は、
「この間の合併、統合の損保再編情勢のもとで、この各論がますます問われている」
「保険会社は、メーカー化し付加価値をつける代理店としてすなわち顧客ニーズに応えられる代理店作りに奔走しているが、はたしてこれでいいのかと疑問を持たざるを得ない。」
 氏は、保険ジャーナリストとして自らの体験を踏まえて、
「保険流通の切り口から座標軸は、顧客に支持される保険文化の構築を産業の体質にする必要がある。顧客にとって解決支援業としての代理店の役割は、企業社会と市民社会の乖離の解消につながっていくのではないか。」
とのべた。

 保険業界再編の方向性と保険流通現場への影響について
「本当に顧客志向の競争となっているのか。」
「産業がめざすところところは何処?(損保産業・保険産業・複合金融サービス産業)経営戦略が問われている。」
「拙速すぎる統合劇(あせり・うろたえ・動く椅子取りゲーム)」
「寡占化がすすむ一方で保険会社にとっての資産の劣化(契約・社員・代理店の劣化)が進行している。」
と保険ジャーナリストらしい辛口の話をされた。

 二一世紀の損保産業、どう変わろうとしているか。

(1)マーケットが変わる

 自由化と未来から、三つの波(高齢化・IT化・ボランタリー社会化)をキーワードにして、これに対応できる代理店の育成、システムづくりを行おうとしている。

(2)保険商品が変わる

 ■取り扱い種目構成の変化「損保・傷害・生保」から「生保・損保・傷害」へ。
  これはROE十パーセントにするために、生保分野に進出が迫られている。
 ■縦から横の商品ー「超保険」の売り出しが典型
 ■デラックス(サービスのてんこ盛り)とシンプル商品

(3)営業が変わる

   IT化によって営業は、後方支援システム的存在

(4)代理店が変わる

 いま、チャンネル別に代理店の再編成がすすめられているが、どういう状況になろうとも代理店は、一人の生き様産業としてのフィルター的存在として再評価される時代と言える。

 最後に氏は、大型合併・統合のなかで各社「身をきれいにして」の論理は、結局自ら辞める社員が出るようなシカケが作られようとしている。だから現場はきついが、産業の未来は顧客に支持される保険文化の構築にかかっており、その担い手は社員、代理店であると締めくくった。



12月14日(金)於 大阪府商工会館


 講演会 『宮本百合子と私』

    講師  坂井 希

  2002年度・会費納入のお願い

 年会費の3000円を、各職場の世話人のご協力を得て集めさせていただいております。
会員の皆さんは最寄りの世話人にお渡しください。

 OBの方々には、ニュース郵送の際郵便振替用紙を同封いたしますのでご利用ください。

  この機会に新たに入会されることを仲間に、呼びかけてください。(事務局)