2002年4月17日

大阪損保革新懇ホームページ開設記念講演会 講演録      於淀屋橋 AAホール

                                                                                『ミレアとジャパン・・・戦略のゆくえ』

講師 明治大学商学部教授 押尾直志氏

講演目次

はじめに

T.金融制度改革と損保事業の再編

 1.「不公正・過当競争」とはなにか

 2.強まるアメリカからの市場開放要求

 3.金融制度の再編・整理

 4.損保ではどういう状況が進んだか

U.損保事業再編のもたらすもの

 1.損保事業再編の背景

 2.損保事業再編のもたらすもの

 3.適切な料率とは何か

V.ミレアグループと損保ジャパンの戦略と問題点

 1.東京海上の市場戦略は何か

 2.“ミレア”戦略の狙いは何か

 3.“ミレア”と“ジャパン”戦略のもたらすもの

おわりに







はじめに

 みなさん、今晩は。ご紹介いただきました明治大学の押尾でございます。

 大阪損保革新懇ホームページ開設記念講演にお招きいただきまして大変光栄に存じます。

 いま、司会の三浦さんからご紹介いただきましたように、私は故笠原長寿教授のもとで保険論の勉強を始め、ようやく専任講師になった頃、1980年前後だったと思いますが、全損保の呼びかけで労働組合と学者の間で損保決算や損保産業の民主化について勉強する会が始まりました。私は自分の研究方法がまだあまり明確になっていない頃でしたが、この研究会に入って私の研究方法が決まったようなものでした。

 それ以来、全損保とのお付き合いを深めてきました。私のほうが全損保に育てていただいたと言う方が正確かも知れません。損害保険論の専門の先生方にはだいたい保険約款論、海上保険論、リスクマネジメント論を研究されておられる先生が多いのですが、私は法律論ではなく、経済論の立場から損害保険を考えるという今日の勉強スタイルができたのです。私自身も一契約者・消費者の立場から保険を研究していこうと思ったからです。

 代表世話人の野村さんも当時全損保書記長で、もうかれこれ25〜6年のお付き合いになります。今年2月、大学が入試で一番忙しく、また他の人とあまり会ってはいけない時期に上京されてきまして、日火の元本社に連れて行かれ、高島屋地下食堂でカレーライスをご馳走になり、とうとう今日の講師を断れなくなってしまったのです。

 私はこれまで労働運動を通して損害保険の社会的役割や補償機能の維持・発揮、さらに損保産業の民主化の問題について勉強してきました。しかし今回色々資料を送っていただいたり、革新懇運動の趣旨や取り組みの内容などをお伺いし、革新懇の役割について非常に感銘を深くした次第です。

 革新懇運動はただ単に労働運動の延長線上の活動ではなく、広く損害保険の社会的な役割とか機能とか、あるいは国民・消費者・契約者の立場から損害保険制度はどうあるべきか、そういう点で自由に、あるいは労働組合の枠を離れて損害保険のあり方を考えていこうとしていて、非常に期待を抱くことができました。しかも野村さんの話では損保産業内のNGO・NPOのような性格をもった運動・活動にしていきたいということで、私も労働運動というある程度イデオロギーに色づけされたような運動から少し離れて保険を考える、そういう民主的な運動なり活動なりの場になってほしいと期待を抱いたわけです。  前置きが大分長くなりました。本日いただきましたテーマは、『“ミレアとジャパン”の戦略のゆくえ』という大きなテーマです。テーマにふさわしいお話ができるかどうかわかりませんが、お手許のレジュメに沿ってお話しさせていただきます。

 

T.金融制度改革と損保事業の再編

1.「不公正・過当競争」とは何か

 みなさんの「革新懇ニュース30号」で私のこれまでの主張の論点を3点に整理していただいています。本日のレジュメとあわせて参考にしていただければと思います。

 さて、われわれが損保市場について考える時、本日のテーマの“ミレア”“ジャパン”という東京海上と安田火災を軸とする二大寡占会社を中心にして市場構造や市場が抱えている問題を検討するわけですが、今日のように損害保険事業が一般家計や大衆部門を大きなターゲットにし始めたというのは、皆さん方ご承知のように70年代の後半からです。

 東京海上が本格的に大衆化路線を打ち出しましたのが1977年(昭和52年)のいわゆる「GOGO作戦」でした。東京海上のこの大衆化路線が一つのきっかけになって、損保業界全体の路線が従来の法人・企業分野を中心にした市場戦略から自動車保険や火災保険の大衆保険分野を中心にした市場拡大路線に変わっていき、市場競争が非常に過熱化して行きました。

 その結果、大手損保と中小損保の間の格差が益々拡大して行き、とくに東京海上、安田火災を二大カンパニーにして三井海上、住友海上の四大損保によって市場の5割から6割ぐらいのシエアが支配される、言い換えますと寡占的な市場構造が形成されてきたわけです。この四社による寡占体制の中でももちろん東京海上と安田火災の二社が指導権争いをしてきたわけで、三井海上、住友海上がそれに追随するという展開となりました。中小損保との競争についてはみなさんも「不公正・過当競争」という表現をよく用いてきましたが、「不公正・過当競争」とはいったい何か。

 それは資金力、人員、営業店舗網、サービス拠点数、加えてやがて80年代からコンピュータ技術の利用が広く浸透してきて、顧客情報収集力の差も加わってきます。さらに系列を通じた取引先関係の市場を一手に旧財閥系の損保会社が獲得していくという展開をしていきます。「市場の囲い込み」とでも言ったらいいのでしょうか、こういう競争が強まったのです。

 したがって、競争する分野というのはそれぞれのまだ取引先でない、未取引先分野が法人分野の市場競争のターゲットになりましたし、大衆保険部門が一方の市場競争になってきたのですが、その競争におきましても圧倒的に競争力の質が違うわけです。そういう点を指してみなさんは「不公正・過当競争」と言ったのだろうと思います。

 いずれにいたしましても、競争を通じて大手と中小、四大寡占会社と中小との格差が益々拡大して、寡占的な市場構造ができあがってくるのです。こういう損保市場の寡占化を支えてきたのが経済発展ということになるのですが、当然のことながら損保事業は物を作っているわけではありませんから産業・企業の成長に大きく左右されます。

2.強まるアメリカからの市場開放要求

 ところで、巨大な軍事力を背景にしてソ連と軍拡競争を繰り広げ、政治的にも経済的にも西側諸国を支配してきたアメリカが、80年代に入って財政赤字と貿易赤字のいわゆる「双子の赤字」に象徴されるように構造的な不況に陥ったのです。そういう中で「小さな政府」とか「規制緩和」とかの動きが出てきます。その思想的な武器を提供したのがいわゆる新古典派と呼ばれる経済学の一派ですが、アメリカで急速に規制緩和の動きが広まりました。しかし、80年代の中頃までアメリカの経済はなかなか回復しませんでした。

 そこでわが国をはじめとした西側諸国が協調支援体制をとっていくわけですが、今度はわが国経済が重大な影響を受けることになったのです。日本は資源の乏しい国ですから輸出に依存する、そして国の公共事業の予算、肥大化した官僚行政などが中心になって国の経済運営が図られてきたのです。しかし、もうすでにわが国経済は構造的に従来のような政策運営では成り立たないような状況におかれていました。その大きな要因はやはりアメリカの構造的不況・経済破綻が背景にあったのです。

 日本政府は低成長下で国家予算の歳入を図っていかなければならない。それを確保するために国債の乱発に依存してきました。赤字国債に依存するような借金財政体質ができあがり、同時にまた国民への増税をはかってきました。消費税の導入などはいい例です。

 国債の増発を受け、金融機関は当然これを売却しなければなりません。しかし、従来のような縦割りの規制のもとでは弾力的な金融商品を設計していくことは難しいので、これも金融制度改革・規制緩和の条件になっていったのです。また、低成長経済のもとで企業は設備投資意欲が減退していきます。アメリカへの協調支援により為替相場が大きく変動し、いわゆる円高に移行します。円高によって企業はダブついた資金をもてあまし、いわゆる金余りの状態になってきたのです。

 この頃、“財テク”という言葉が大変ブームになったことはまだ記憶に新しいことですが、こうしたブームの中で投機意識が煽られ、株価や地価が異常に高騰し、バブルの引金になっていったのです。バブルをさらに膨張させたのは大蔵省が促進した規制緩和政策です。その象徴が、大手金融機関が積極的に出資した住宅金融専門会社の設立、あるいは政府がすすめたリゾート開発法などでした。バブルの膨張はいま中小の地域金融機関あるいは協同組織の金融機関である信金や信組とかの破綻がつづいていますが、地域の金融機関を巻き込んでいったのです。中小の地域金融機関や信金・信組は地域経済に大きな影響力をもっていたのですが、今日地域経済・社会が崩壊寸前に追い込まれることになったのもやはり地域金融機関の破綻、経営危機が背景にあると思います。

 バブルの崩壊後、その後遺症である大手金融機関の不良債権処理は未だに進んでいません。アメリカからの市場開放と「不良債権処理を迅速に進めよ」という要求が強まっています。この背景にはアメリカが西側諸国の協調支援によってIT産業を中心に経済の急成長を遂げてきたことがあります。アメリカの企業はアメリカ国内だけにとどまらずどんどん海外に進出していき、アメリカの海外戦略に危機意識をもったヨーロッパ諸国はその対抗策としてEUの統合を果たしていったのです。

 大学でもこうした影響が出てきまして、アメリカの大学は日本に分校を設置しましたが、採算がとれずに閉鎖というところが多いのです。最近では本学でもルノー財団とか、あるいは日仏共同の大学院の博士課程の研究指導のための国家予算化でフランスの外務省、教育省などが日本の政府とタイアップして大学院学生に1年間お互いにフランスあるいは日本の大学院で研究指導を行わせようというような申し入れも多くなってきています。文部科学省も大学を市場競争、競争原理のもとに活性化しようという、従来の国の教育行政とは180度転換するような政策を打ち出してきております。大学も例外ではないということです。

3.金融制度の再編・整理

 いずれにしても、アメリカの好景気が市場開放要求の背景にあり、この要求にわが国政府も対応しなければならない状況にあります。るわけです。大手の金融機関は当然アメリカの基準で自己資本比率を充実していかなければなりませんし、資金の集中を図る必要が出てきます。そういうことから金融制度改革・規制緩和が実施されてきたと考えられます。 しかし、その過程で大蔵官僚と大手金融機関のMOF担とよばれた行政担当の幹部職員間の贈賄事件など不祥事・スキャンダルが相次いで発覚しました。ちょうどこの頃から監督行政への不信・批判が高まってきます。

 政府は大蔵省を分割廃止するとともに従来の金融機関に対する行政を見直し、市場原理と自己責任原則を基本とする監督行政に方針を転換して行くのです。しかしそれによって行政の権限が縮小されたということではなく、監督権限を盾にとり金融制度の再編・整理を推進することでこうした国民からの批判・不信を払拭しよう、回避しようとしたわけです。こうした金融制度の再編・整理はただ単に金融機関の問題だけではなく、同時に国民・消費者に向けても自己責任原則をもたせることで批判を回避しようとしたわけです。

 国の監督行政の立場はとくに中小金融機関の固有の機能、すなわち地域に密着した融資とか信用保証、信用創造を提供していくということではなくて、むしろ市場原理を導入して積極的に競争させようとするのです。経営においても大手と全く同じ土俵で自己責任原則を適用し、厳しい検査基準をあてはめて、それに該当しなければ業務停止命令を発動するという権限を温存したのです。同時に預金者・利用者にも責任をもたせるという方式に転化してきたのです。

4.損保ではどういう状況が進んだか

 一方、保険制度は大蔵省をめぐる一連の不祥事や銀行・証券と異なる保険事業の特性、生保と損保の違い、あるいは株式会社と相互会社の違い、こういう特性をもっていますので銀行・証券の改革よりも少し保険制度改革、とくに法改正は遅れを余儀なくされました。

 しかし、基本的には金融業態間の垣根を低くして、相互乗り入れを促進する方向法で金融制度改革をすすめるという従来の制度改革・規制緩和の方針に沿った形で保険業法の見直し、改正が図られました。損保事業は低成長経済のもとで保険料収入は鈍化してきていましたが、その保険料収入の増大を図るために80年の半ば頃から、つまりバブルの当初の頃から積立型商品の開発に傾斜してきました。

 金融自由化、そして金融制度改革と国の金融行政はますます従来の行政から方向転換していくのですが、この金融制度改革を契機に東京海上を始め大手損保会社は「総合金融機関化」を推進しはじめます。しかし護送船団体制のもとでの横並び意識は『品川講演』でも指摘されているように全く変わることがありませんでした。バブル時には中小の損害保険会社の殆どが大手会社と同じようにやはり積立型商品の開発に奔走していったことはみなさんご存じの通りです。

 その結果、中には非常に危険な資産運用をおこなってきた会社も少なくなかったわけで、2000年5月に第一火災の経営破綻が起きました。同社の取り扱い商品はやや他の損保会社とは違いますが、戦後はじめての損害保険会社の経営破綻ということで、やはり積立型を中心にした会社の商品戦略が災いして経営破綻に至ったと考えられます。

 バブル崩壊は中小の損害保険会社の資産運用に大きな打撃を与えることになります。同時にこうした資産運用にのめりこんできた多くの損害保険会社は自転車操業を繰り返し、言ってみれば資産運用のために積立型商品を開発する、あるいは満期金の払戻しのための財源を確保するためにまた積立型商品を開発するという悪循環に陥ってしまったのです。

 算定会制度のもとで寡占的な市場構造が形成され、中小会社は充分な保険収益をあげることが事実上出来なかったと言ってもいいだろうと思います。中小会社が本業の保険引受業務で充分確保出来なかった収益を補填するために手を伸ばしたのが資産運用です。また昨年11月に破綻した大成火災に象徴されるように危険な海外再保険取引であったのだろうと思います。実際に保険事故が発生しなければ、海外再保険取引は非常に大きな収入源になる仕組みのようです。

 したがって、あまり再保険マネジメント会社の実態を把握せず、海外再保険の中味に充分配慮しないままー富士火災など幾つかの会社は途中で取りやめましたがーそのまま今日に至った大成火災とか、日産火災はまともに影響を受けてしまったのです。

 もちろんテロ事件が引き金になったといえなくはないのですが、こうした中小会社の危険な資産運用あるいは海外再保険取引へのめり込んでいった経営の姿勢はやはり構造的なものがあったのだろうと考えられます。たしかに料率算定会制度というのは業界の秩序を守り、慣習を尊重してきました。その限りでは損保業界の見張り番や秩序の維持に貢献しましたが、それが大手会社の余剰利潤を生み、また大手会社はその余剰利潤でそこから営業網拡大の資金を捻出していくということでしたから、益々大手と中小の格差が拡大していていったのです。しかも算定会制度を通して大手会社のエゴといいますか、大手会社中心の商品戦略が進められていったのです。もとより中小会社は資本的にも、マンパワーの面でも大手会社には対抗すべくもないでわけですし、さらに開発能力も乏しかったでしょう。 また、あえて開発コストをかけずに大手会社の開発した商品をそのまま、とくに大衆分野では全く同じ商品を同じ価格で販売することができたのです。厳しい言葉になりますが、経営努力の工夫が足りなかったと言っても言い過ぎでないと思います。

 こういう極めて不健全な経営環境の中で資産運用あるいは海外の危険な再保険取引がとくに中小会社を中心にして広く利用されるようになっていったというのが非常に憂慮すべき事態だったのです。金融制度改革は金融機関の「経営の健全性の確保」」「消費者の利益保護」「利便性の向上」というスローガンであったのですが、こうしたスローガンは瞬く間に色あせてしまい、各金融機関・保険会社は市場競争に勝ち抜くために、あるいは生き残りをかけて企業系列の枠を超えて大型合併あるいは提携を繰り返していくことになったのです。

 こうした市場戦略は消費者、現場で働いている人たちを全く無視して経営効率至上主義、あるいは規模の拡大、市場シエアーの拡大に奔走する事態を引き起こし、非常に憂慮すべき事態を作り出しました。

 生保業界では中小の生命保険会社が8社も経営破綻するような異常事態がおきました。ご承知の通り、多くの保険契約者に犠牲を転嫁する形で破綻処理され、破綻した保険会社の受け皿会社として外資系の保険会社や他の金融グループのノン・バンクに格安の価格で引き継がれていきました。そういう点では日本の金融市場は非常に安上がりの市場として海外の金融グループには注目すべき市場、すなわち「おいしい」市場として捉えられるのではないかと考えられるのです。

 第一火災の場合を除き、損保業界でもこうした規制緩和後の大型合併、提携によって永年蓄積してきた貴重な保険技術、多くのデータ、情報などを無にするような状況が繰り返されきました。みなさんもブックレット『損保の未来』の中で主張されていますが、企業分野における“ビッド”と呼ばれるような入札方式の契約獲得、あるいは秩序・慣習を破壊するような横暴がまかりとおるような状況になっていることも事実であり、看過しえないところです。

U.損保事業再編のもたらすもの

1.損保事業再編の背景

 次に、損保事業再編のもたらすものについてお話を進めます。

 損保事業の再編は今述べましたように、バブル崩壊後の構造不況と外圧を背景として監督官庁が規制緩和政策を導入したことから急速に進んできたと考えられます。監督官庁だった当時の大蔵省は一般に実体的監督主義、これは「すべて面倒を見る」という監督行政を行ってきました。この監督行政の立場は厳しい参入規制を敷き、画一的な事業運営をおこなわせて大手損保会社の寡占化を促進してきたことは事実です。しかし、バブル崩壊後不良債権処理と狭隘化した、非常に収縮してしまった市場の活性化をはかっていかなければなりませんでした。

 他方、欧米の巨大な金融グループや様々な業種・金融機関が持ち株会社のもとに統合した形態を金融コングロマリットと言っていますが、こういう巨大な金融グループが日本市場参入を強硬な態度で要求してきました。特にアメリカの場合にはAIGグループの強いロビー活動が背景にあったと言われています。とくに損保事業の規制緩和について全面的な譲歩を求めてきましたが、大蔵省は全面的に譲歩し、欧米の巨大な金融、あるいは保険グループの日本市場参入を認めました。監督官庁自らの不祥事の繰り返し、監督責任を果たせず、結局大蔵省は解体するという混乱の中で市場開放・規制緩和がすすめられきたのです。

 当然、迎え撃つ側の国内の損保会社は競争を勝ち抜くために資本規模を拡大したり、あるいは生き残りのための戦略を模索することが急務になってきたのです。構造不況が深刻化して、株価も下落傾向が続き、特に銀行は系列間の持ち合い株さえも手放さなければならないような状況になっており、旧財閥系の枠をこえて合併再編計画が進み始めました。

 その結果、旧財閥系の銀行とか、生・損保の金融機関とか、系列企業間の株の持ち合い構造が徐々に崩れて行きまして、旧財閥系同士の合併にまで及んでおります。市場原理のもとで経営の効率化を促進して健全性を確保するという理念は、掛け声倒れに終わってしまいました。各金融機関は結局最も手っ取り早い合併とか、提携によって市場シエアを拡大しようとし、合従連衡という様相を呈しているます。

 旧財閥系銀行間の合併・提携は損保会社が市場競争への戦略をすすめる上でもかなり大きな影響力をもっています。旧財閥系銀行同士の合併の典型は三井・住友銀行のケースですが、銀行同士の合併が損保事業の三井海上と住友海上との合併を左右することになりました。当初三井海上は日本火災・興亜火災の3社との間で合併構想を進めていましたが、それを白紙に戻したのはやはり同じ財閥系の銀行同士の合併が大きく影響していると考えられます。

2.損保事業再編のもたらすもの

 損保業界では今日のテーマですが、東京海上を中核とするミレア・グループと安田火災を中核とする損害保険ジャパンの合併による市場シエアの拡大の戦略がすすんでいます。これらは護送船団体制のもとで形成された四大損保を中心にして、この四大損保と準大手・中堅損保が再編吸収される合併形態です。そこには生き残りをかけた中堅損保会社の究極の選択があったのだろうと考えざるを得ません。

 損保事業の場合はもちろん様々なリスクの引き受けを行っているわけですから担保力を維持し、そして拡大するために資本の規模は大きい方が望ましいことは言うまでもありません。しかし、いくら資本力が大きくてもアンダーライテイングが不適切であったり、あるいは経営内容が杜撰であったりすれば市場競争に勝てません。

 ですから、私は資本規模がそれほど大きくなくても経営の健全性を図り、適切な労務管理を行って独自の営業基盤を持ち、特化した保険種類の開発を行っていった方がはるかに競争力を確保することが出来るだろうと考えます。ただし護送船団体制のもとでは全社が料率算定会の会員になり、同一保険商品を同一価格で販売することを義務づけていましたから先ほども言いましたように開発意欲、効率化への経営努力などを動機づける力が生まれる余地はあまり無かったと言えるかもしれません。

 一方、大手会社の場合には高い市場シエアを背景にして、商品の開発意欲は非常に旺盛ですが、護送船団体制のもとでは一定の市場シエアを確保し、徐々に拡大していくということは可能です。実際に過去の保険料収入割合を市場全体でみてもそういう傾向が見られます。この4〜5年間を見てもやはり大手会社の市場シエアは0.何パーセントずつですが、上がってきています。これも合併・統合の一つの理由になっていると考えられます。護送船団体制下で市場シエア拡大競争の中で大蔵省は業界内の調整を求めるつつも大手損保会社を中心とした商品戦略を承認してきたのです。

 料率算定会制度を柱にした保護行政のもとで大手損保会社は市場シエアを徐々に拡大し、寡占化を促進したわけですが、規制緩和を推進した結果、特化した商品戦略で外資系、あるいは異業種系の損害保険会社が市場参入を果たすようになってきました。この様な流れに対抗して、大手損保会社は市場シエアの維持、拡大を図るために既存の市場の再分割をはかる、これは要するに合併・統合を進めることになります。

 大手会社にとっては、この再分割をはかることが非常に有効な戦略になります。一つには事業規模、事業基盤、営業募集網、営業拠点、サービス体制、さらに大手会社には形はありませんが、ネームバリユーもある。いずれをとっても国内大手損保会社は圧倒的な優位性をもっていることは明らかです。今一つは平成不況と呼ばれる構造不況が長引いているなかで政府はいってみれば場当たり的な政策を繰り返してきました。規制緩和政策もその一つでしょう。この4月から実施さた401Kという企業年金の導入とか、労働者派遣法とか、破綻した銀行に対して公的な資金を導入するとか、さらには銀行の貸し渋りを放置するとかなどの無策ぶりです。このような場当たり的な失政・失敗が益々失業率を悪化させることになり、リストラを助長させることになったのです。現在でも経済全体の回復の兆しは全く見えない状態です。

 法人企業はこういう状況下で1番カットしやすい保険料の見直しを図ってきましたが、その理論的な裏付けを提供しているのがいわゆるリスクマネジメントです。特に大手法人企業はこうしたリスクマネジメントを取り入れて保険コストの大幅な見直しをはじめました。

 労働者の方も所得が増えないで、リストラや失業の心配が増えている。このような中でほとんど市場シエアが無いに等しい外資系の会社がかなり宣伝費をかけ、リスク細分型自動車保険を積極的に販売していこうという姿勢をとっています。外資系、あるいは異業種の新しい商品戦略の影響を受け、徐々に消費者の保険契約についての意識が高まってきてることも事実です。保険代理店、あるいは保険コンサルタントを行うような組織も増えてきたのもご承知のとおりです。また、FPなど資格をもった人たちが保険の見直しのための講演・学習会をすることも流行ってきています。

 損害保険市場をとりまくこのような環境変化の中で大手損害保険会社は積極的に合併先を模索してきました。金融庁は経営破綻するよりもむしろ合併を歓迎してきたともいえます。損保事業における再編が大手損保会社の市場再分割をテコにして、市場競争に勝ち抜くための、つまり市場シエア拡大のための戦略として展開されている面は否定できません。このことは国民・消費者の利益の向上、あるいは損害保険事業で働く多くの労働者の労働条件や職場の民主化、あるいは損保労働者の労働意欲を高めるような戦略では決してないと言わざるをえません。

3.適切な料率とは何か

 外資系の損保会社のリスク細分型自動車保険の認可をきっかけに、保険料率の引き下げ競争が激しくなってきています。これに対抗して東京海上は、逆に補償内容を充実させ、保険料の支払能力があって、かつ自動車事故率の低い優良顧客層を囲い込んでいこうとする戦略を打ち出しました。“TAP”ですが、こうした状況から金融制度改革、あるいは規制緩和政策の意義を評価しようという展開も一部にみられます。

 しかし、東京海上や安田火災の経営戦略は最大の競争分野である自動車保険市場の市場シエアを拡大するために、市場シエアを合併・統合によって丸ごと取得して、優良顧客を囲い込んでいこうという戦略です。

 保険企業が私企業であるということからすれば、リスク度に応じた保険料率を細分化することは不可欠であると考えられます。ただし保険料率の計算は現在では算定会は参考数値を提供するだけにとどまっています。各社は過去の経験とか、実績とか、あるいは各種のデータにもとづいて事前の予測値として保険料率を計算しています。しかし、事前に算出される保険料率は契約者一人一人の危険度に応じて料率を計算しているわけでありません。あくまでも平均的なデータに基づいた料率の算出を行っているのです。ですから、リスク細分型というのは一定の範囲内で条件を幾つか設け、それに適応する場合のみある程度危険度を料率に反映するだけに過ぎません。決してこれは個別の料率計算に基づいた保険料率ではないということです。その限りでは負担の公平性といいましても一定の限界があることを認識する必要があります。保険経営の観点からいたしますと出来るだけ均質な、危険度の低い契約者を選別して保険集団を形成するのが経営の安定につながるわけです。

 本来保険制度は危険度の異なる多数の契約者の間で危険の分散、平均化を行う仕組みです。ですから今日の損保市場における優良顧客囲い込みの競争は保険制度を担う個々の損害保険会社が補償機能を充分に発揮して社会的な責任を果たしてるとはとても言い難い状況にあります。

 損害保険経営にとって自動車保険が主力商品になっているということは自動車事故が重大な社会問題になっているということを示しているわけで、優良顧客だけを競って囲い込もうとする現在の大手会社の経営戦略は統計的にリスクが高いとされている若年層全体に過重な負担をかけることになるわけで、公平性を欠くことになるのではないかと考えます。 損保産業の競争の実情とは、収益性・効率性のみを追求する結果、逆に自ら市場を狭めていくような結果になっているのではないか、それがまた競争をかえって激化する悪循環を生んでいるのではないかと考えます。

V.ミレアグループと損保ジャパンの戦略と問題点

1.東京海上の市場戦略は何か

 それでは最後のテーマに移りまして、ミレアグループと損保ジャパンの戦略と問題点について話を進めたいと思います。

 東京海上の市場戦略の具体化、すなわちミレアグループの結成は東京海上・日動火災・共栄火災の損保3社と朝日生命を加えた損・生保会社から構成される予定になっているのはご承知のとおりです。この構成は従来一般的に予想されていました旧財閥系の金融機関の間の合併とはなっていません。『品川講演』でも少し触れられていますが、その理由は私が考えるには、おそらく同じ資本系列関係にある金融機関同士であっても、今日の構造不況は系列関係よりも自社の生き残りのための戦略を優先せざるをえない状況にあるというのが一つの理由でしょう。今一つには先行して金融自由化をすすめたアメリカにおいて経営の多角化をはかった銀行・保険会社が破綻して、成功しなかった事例があります。先程申し上げた金融コングロマリット、あるいは持ち株会社による統合などの戦略がすすめられていますが、反面教師として今回の構成となったと見ることができます。

 東京海上はとりわけ自動車保険事業の一層の強化拡大のために自動車保険分野で大手損保に匹敵する実績を挙げている中堅損保会社の日動火災と農協組織に一定の市場をもっている共栄火災との統合をすすめたと考えられます。

 日動火災は大手損害保険会社との競争だけではなくて、外資系、あるいは異業種の損害保険会社との競争の中でこれまでのような実績を確保していくことは非常に厳しくなってきており、数字を確認しましてもやはり営業収益はずっと低下傾向にあるという事実があります。

 共栄火災は協同組合、とくに農協と密接な繋がりがありますが、保険業法に基づいた純然たる保険会社です。その点で言えば金融制度改革の中で経営の独自性を発揮し、市場開拓に繋がる戦略を打ち出すことがが出来なかった会社と言っていいでしょう。共栄火災が一定の基盤を持っている農協の場合はとくに自動車共済を含めて、生命共済、損害共済事業を行っている全共連があります。その実績は生命共済、あるいは損害共済部門ごとにそれぞれ民間の保険業界の最大手の日生、東京海上に匹敵する遜色のない事業規模になっています。共栄火災は生保会社も設立し、生保事業にも進出ましたが、業績が上がっていません。共栄火災は戦前東京海上系の二つの損害保険会社を当時の農協の前身の産業組合が買収し、戦後組織変更して共栄火災を設置しました。そういう点から見れば東京海上との繋がりがあったわけです。それはもう過去の話で、今回の統合は直接関係ないかもしれません。

 東京海上が大衆化路線を取って以来、70年代の後半から80年代にかけての戦略は地域あるいは職場を中心になりふりかまわぬ事業規模の拡大を図っていくためには殿様商売をやっていられないというものでした。東京海上にとって、共栄火災を統合して行くというのは農協市場に一定の基盤を持っている広域団体に対する対策を視野に入れた戦略を展開していると考えられます。

 ミレアグループに参加が予定されていた生保会社の朝日生命ですが、東京海上の生命保険子会社の東京海上あんしん生命−ここは業績が非常に順調ですがーと合併する予定になるのでしょうか。朝日生命は経営内容についてマスコミの報道やあるいは日本生命による風評被害をかなり受けました。それによって解約に歯止めがかからない状態で、経営基盤が弱体化してきました。そこで、ミレアグループへの統合を一年前倒ししようということだったのですが、東京海上に受け入れられませんでした。そこでメインバンクの第一勧銀と大和銀行から増資を受けて経営基盤の強化を図り、当初の計画通りミレアグループに統合するという計画を進めているようです。

2.“ミレア”戦略の狙いは何か

 東京海上のミレアグループ化戦略の狙いは、本業の損保事業において市場シェアーを拡大して業界1位の不動の地位を確立するということにあると言っていいでしょう。東京海上は海上保険分野では、単独で市場の40%近いシェアを持っています。海上保険分野では独占的なシェアを持っていますが、主力の自動車保険分野は外資系・異業種系の損保会社、あるいは安田火災をはじめとした他の大手・準大手会社との競合が激しくなっています。日動火災と共栄火災との統合によってこの分野の市場シェアの拡大を図ろうとしていると考えられますが、構造不況が長期化して先行きが不透明な中で保険料を含めた国民の消費支出は減退しつつあります。

 しかもわが国の保険市場は、欧米と違いまして生保偏重です。したがって、日本の国民の保険意識は、生命保険・貯蓄保険中心です。これは異常なことと言わなければなりません。保険思想についての正しい知識の普及が早急に望まれるところです。

 損保固有の補償の機能についての理解が乏しいことがやはり貯蓄型損害保険が売れた背景の一つの要因として挙げられるかもしれません。今後はこうした国民の保険思想の啓蒙を図って行かなければならないだろうと思いますが、損保の方では保険種類ごとの加入率が非常に偏っています。2001年版損害保険ファクト・ブックの実績では、自動車保険が70%を超えているのに対し、火災保険の加入率は50%にも満たない。

 最大手の東京海上や安田火災が国民・消費者に対して負っている責任は大きいと言わねばなりません。これは東京海上や安田火災の経営戦略が業界全体の社会的な責任のあり方を示していると言ってもいいからです。ところが実際は、金融制度改革・規制緩和の推進の中で、「優良顧客を囲い込もう」という戦略が展開されているおり、ミレアグループとして統合することが国民・消費者にも現場で働いている人達にも資するとはとても考えられません。

 単に合併して資本の集中を図る、規模の経済性を追求するというのは低収益性の打開のための手っ取り早い戦略であります。ミレアグループがこうした戦略を追及するということになれば、その対抗勢力も同じ様な戦略を取るでしょう。

 損保市場は非常に収縮しており、その限りでは限られたパイをどう奪い合うかということに尽きます。そういう点では東海・安田両社は限られた経営資源を重点的に配分し、支店・支社を統合して営業力を強化する。リストラを進める。コストパフォーマンス、つまりコスト管理を徹底する。経営効率の悪い代理店を整理淘汰する。このような戦略を強化しています。勤続年数の永い労働者は人件費が高いわけですから、リストラし、アウトソーシングを利用する。学生アルバイトを利用する。契約社員を利用する。こういう形で人件費を押さえることになります。当然、残った現場の労働者の仕事は質・量ともに過重になり、ますますコンピューターに管理されて高密度の労働を強いられることにになっていきます。テロではないが、まさしく「自爆」になりかねない状況です。

 顧客サービス競争も熾烈になり、24時間事故受付は当たり前になっています。これも契約社員・アウトソーシング・アルバイトでまかなっており、サービスを外の労働に依存、拡大して行くことになります。しかし、サービスが拡大する一方で契約者全体から見た場合、ある面で過剰サービスになっています。過剰サービスになるということは、結果的に料率の引き上げ、あるいは引き上げないまでも、もっと引き下げられる財源があるのに引き下げないといことになれば、結果的には引き上げにつながります。これは損保ジャパンの戦略でも同じようなことが言えると思います。損保ジャパンの場合も同じ様に市場の再分割・奪い合いの競争です。

 系列を超えた合併が進んでいますが、一つは大衆保険分野の市場を一気に奪い、それによって競争に勝ち抜いて行くという戦略です。系列を超えた統合・合併というのは東海・安田にとりましては今まで取引先でなかった法人分野の契約を一気に取れるという二重のメリットがあります。

 そのツケは全部労働現場、あるいは契約者の方に転嫁されていきます。一部には料率が下がった、あるいはサービスが拡大したということを評価する評論家・ジャーナリストがいます。しかしそうではありません。

3.“ミレア”と“ジャパン”戦略のもたらすもの

 今までのお話をまとめさせていただきます。

 東京海上のミレア戦略と安田火災の損保ジャパンの戦略のいずれも専業の損保事業において合併によって市場シェアを拡大し、寡占的・独占的な支配をめざすことを狙いとしています。規制緩和政策で掲げられた「競争原理をはたらかせて効率化を促進する」「健全性を図る」という目的はまったく期待できない状況にあります。

 護送船団体制のもとで形成された四大損保がさらに寡占的な支配を強化するエゴがますます広がって来ています。“ミレア”と“損保ジャパン”の損保市場戦略は合併による市場再分割というパイの奪い合いに過ぎません。合併に参加しなかった他の中小損保会社の経営危機がこれからますます拡大してくることが懸念されます。

 そうなって来ますと損保市場はますます収縮し、ひいては損害保険固有の補償機能が減退することが心配されます。補償機能を発揮することが損保業界における一定の秩序の確保になによりも不可欠であります。しかし現在の規制緩和政策のもとで展開されている戦略は、圧倒的なその資本力を背景に合併という手段でシェアの拡大、資本の集中を図っており、市場再編をもくろんでいる戦略です。

 依然として経営環境の回復は望まれませんけれども、合併でシェアを拡大したとしてもただちに生産性・効率性が上がるわけではありません。そこでミレアにしても損保ジャパンにしても大量のリストラ、そして労働現場にコスト削減を押し付けてくることになっていくでしょう。表面的には商品の差別化、市場の細分化を図りながら契約者・加入者サービスを充実させています。しかし、他面では保険料の負担、あるいは引き上げという結果につながりかねないですし、福利厚生制度なども改廃され、労務管理も強化されています。

 この二大グループに加えて、三井住友が三大勢力として競争に乗り込んで対応してきています。こうなってきますと、今後中小損保の経営危機で破綻、合併がさらに拡大する可能性があります。こういう中で、とくにとミレアと損保ジャパンの戦略は出来るだけコストをかけない、生保分野でも事業を拡大していく、むしろコストをかけずに提携しながら生保市場への戦略を展開して生損保のクロスマーケティング、あるいは抱き合わせ販売という戦略で生保市場への進出をも現在進めていると考えられます。

 このように、損保再編の進行は冒頭の「不公正・過当競争」のバーを一層引上げ、本来求められるべき損保産業の役割と機能を逆方向に向いて行くのではないか危惧します。

 二大グループの役割と責任は重いということを強調して話を終わります。

おわりに

 ホームページ開設の記念にお招き頂きましたので、最後に一言、損保革新懇への取り組みの期待を述べさせていただだいて、終わります。

 一つは、多くの仲間が革新懇に参加する組織の拡大を図っていただきたい。徐々に組織の拡大の兆しが見えてきているということで非常に頼もしい限りです。またこうした運動の成果を行政の方に積極的に申し入れる、陳情するという活動もぜひとも望まれるところです。こうした革新懇の運動は職場の民主化につながる取り組みであり、現在損保会社の労働者は統合の中でかき回され、限られた活動しか出来ないような状況に置かれています。 したがって、産別労組という制約を離れた革新懇の取り組みの役割・重要性は非常に意義が大きい。そしてボランティアで勉強会などを開いて頂きたい。従来の損害保険業界における労働組合運動の取り組みの見直し、一定の限界についても積極的に提言をしていかなければならないでしょうし、そういう役割を担っていると思います。

 本日はホームページ開設記念ですが、いま二人に一人ぐらいの割合でコンピューターが普及してきているそうです。インターネットを大いに利用し、組織拡大していって頂きたいですし、学校・教育現場との交流が出来ないでしょうか。中・高校生あるいは教職員、PTAいろんな機会を通じて学習会をぜひやっていって頂きたい。

 私も大阪損保革新懇の奮闘に大きな期待を寄せていることを申し上げ、講演を終わらせていただきます。どうもご静聴ありがとうございました。

(大きな拍手)