大阪損保革新懇の活動報告2                                                                  ー全国革新懇・近畿ブロック職場革新懇交流会ー                                            
                                 (1998年12月12日)

 みなさん、はじめまして。大阪損保革新懇の野村と申します。

 私たちの革新懇は2ヶ月前に結成したばかりの“新参”革新懇であります。居並ぶ先輩革新懇の皆さんの前で発言できることを光栄に思います。

私は

  • 結成準備段階の教訓
  • 大阪損保革新懇の特徴
  • 損保革新懇運動の課題と決意

について報告したいと思います。

1.結成準備段階の教訓

 今年の正月頃から一部有志のなかから

「激動の損保情勢のなか、損保革新懇がいまだに結成されていないということはどういうか。

大阪のホワイトカラー労働組合運動や金融労働組合運動、さらには民主勢力の一員としてそれなりの役割を果たしてきたと自負できる全損保大阪地協OB・現役が一緒になって損保革新懇を結成しょうじゃないか」

という機運が生まれてきました。

 4月〜5月段階では準備会の数名で、情勢認識からめざす損保革新懇の骨格となる結成準備アピール・スローガン・規約・財政・会員数・加入・募集の方法を討論し、秋頃か年明けには結成をめざそうということになりました。

ついで、6月には15名の発足準備世話人会に拡大し、さらに数十名規模の“呼びかけ人団”の組織化をめざしました。

 7月末に第一回“呼びかけ人団”会議を開くに至りました。

この顔ぶれにはかつて様々な時期に組合活動だけでなく、文化・スポーツ活動で活躍された比較的知名度の高い皆さんが揃い、年代も30才台から80才台に及び、またOBと現役がほぼ半々を占めるという多彩な構成となりました。

多くの人から「よくぞこれだけの顔ぶれを集めたな」という感想も寄せられました。

 9月初旬の第2回“呼びかけ人団”会議では会員が150名を越えたことを確認し、もう一踏ん張りして、結成総会までに会員200名を越え、結成総会は150名以上をめざすことを確認しました。「大阪損保革新懇ニュース」を第3まで発行しました。

 10月16日、結成総会の日は台風接近中という悪条件でしたが、私たちの不安は杞憂に終り、180名の仲間が参加し、結成総会は大成功を収めました。

小西大阪革新懇代表世話人から結成総会にふさわしい感動的な記念講演を頂きました。

 総会後、雨の中の遅い時間からの懇親会にも120名の仲間が集まり、互いに新発足を喜び合うことができました。

この日の結成総会の模様は「しんぶん赤旗」「大阪民主新報」保険業界紙の「保険毎日新聞」や「損保のなかま」という組織内の有志が発行する諸マスコミが取り上げました。

 

さて、私たちは準備段階の教訓として次の諸点を列挙したいと思います。

〇準備会、世話人会、呼びかけ人会、職場世話人会と徐々に仲間の輪を広げていったこと。

〇つどの会議で到達点と次の課題を相談し、確認していったこと。

〇特定の時期・時代に偏らず、様々な時期に活動した幅広い年代層の方々の協力を得るこ とができたこと。

〇現役とOBが一緒に力を合わせたこと。また、この人達が先頭に立って革新懇結成の必 要性を周辺の仲間に訴えてくれたこと。

〇毎回の会議の後、懇親会でみんなで酒を飲んで明るく語り合ったこと。

〇結成前から「大阪損保革新懇ニュース」を発行できたこと。

○結成総会を内外のマスコミに公開したこと。

などを準備段階の教訓として挙げることができると思います。

 次に私たちの革新懇の組織的な特徴について触れたいと思います。

2.「大阪損保革新懇」の特徴

 現在、損保労働者の組織は大きくいって全損保、損保労連、単独労組の3つに別れ、さらに関連・関係会社の多数の未組織労働者がいます。

今回、誕生した「大阪損保革新懇」の会員・賛同者には全損保現・元組合員、損保労連現・元組合員、単独労組現・元組合員、損害保険代理店、事故調査を担当するアジャスターの皆さんが参加しています。

このことは文字通り、思想・信条・所存組合・現役・OBの違いを越えた損害保険産業では初めての横断的組織で、画期的な組織ということができます。

 したがって、この革新懇は「全国革新懇」が掲げている「考え方や立場が異なっていても“革新3目標”を一致点にして自由に話し合い、必要な協力・共同を進めていく」という方針を実行するのにふさわしい特徴を持っているということができると思います。これはこの革新懇の組織上の大きな特徴です。

3.損保情勢と私たちの課題と決意

 今、銀行・証券・生保の中で起きていることは、皆さんご承知の通りであります。

 損保も同様であります。

財閥系大手損保では系列グループ金融会社間の提携をはじめ、投資信託参入、外資との提携などの動きが活発化しています。

また、外資系損保の進出やトヨタの損保進出や既にセコムの損保進出が具体化しています。

料率・商品の面では、今年7月から料率の本格的な自由化時代に入りました。

皆さんテレビ・新聞での激しい広告などでご存じの通り外国保険会社が発売している自動車保険の値引き商品に対抗して国内社が新型自動車保険を発売し、激しい競争を繰り広げています。

火災保険でも企業分野でのリスクや採算を度外視した保険料値引き競争も熾烈を極めています。

 こうしたモラルを逸脱した過度の値引き競争は、「一人は万人のために万人は一人のために」という損害保険の基本理念と補償機能の発揮という損害保険の社会的役割発揮を自らから放棄し、健全な損保産業の発展を妨げかねない状況を作りだしています。

 このもとで個別経営社は生き残りをどう図るかを命題にしてすべての皺寄せを労働者に押しつけようとしています。

 私たちは結成アピールの中で次の内容を確認しています。

  • 私たちは昨今の政治・経済・損保情勢を考えるとき、現役とOBが共に手をくんで、「革新3目標」や損害保険産業の民主化を求めて奮闘することがもとめられていると感じざるを得ません。
  • 私たちは損害保険産業の労働組合と組合員が、損害保険産業で働くすべての者の雇用・労働条件を守り、損保の民主化、日本の平和と民主主義のために奮闘されることに協力・共同していきます。
  • また、私たちは年金・社会保障・医療・介護・平和・核廃絶・教育・食料・環境などの幅広い市民的課題に取組み、住民本位・国民本位の社会をめざして努力していきます。

として幾つかの具体的な課題を明らかにしています。

 私たちは先週、革新懇発足後第一回目の「ダイオキシン」勉強会を参加者60名で成功させました。

2月には映画「ブラス」の上映会を取組み、500名参加をめざします。

 3月には教育問題に関する勉強会を計画しています。

新年の世話人会議でき「あじさか」さんの推薦を決議したいと考えています。

 結成総会アピールでは「私たちは生まれたてホヤホヤの革新懇ですがその思いと決意はは高いという自信をもって少しずつ着実に前進を図っていこう」という内容を確認しましたが、改めてこの席から「少しずつ着実に前進を図っていきます」という決意を表明して発言を終わりたいと思います。

ありがとうございました。