2004年11月5日
大阪損保革新懇第7回総会挨拶
代表世話人 野村英隆

みなさん今晩は。代表世話人の野村です。世話人会を代表して開会のごあいさつを申しのべます。
みなさん、本日はお忙しいところ大阪損保革新懇第7回総会にご出席くださいましてありがとうございます。
今回もまた多くの仲間の参加のもとに開会できることを喜び合いたいと思います。  
みなさん、わたしたちは1998年の結成総会から丸6年、さまざまな取り組みを通じて多くの経験と教訓を積み重ね、本日第7回目の総会を迎えることができました。
今日の資料にもあるとおり、この1年だけを振り返っても多彩な活動をしてきたと言えると思います。
2ヶ月前、静岡県伊東市で全国革新懇総会が開催され、わが革新懇から野口・大川君2名の代表を派遣しました。
2人は主な活動の報告を行いましたが、最後の全体会議の中でわれわれの活動が大変評価され、全国の職場革新懇のモデルとして紹介されました。大変名誉な、うれしいことですが、同時に大きなプレッシャーも感じています。
この「歴史的」な発言集は昨日届きましたので冒頭から恐縮ですが、お互いの勇気付けのためにもお求めいただきますようお願いいたします。
さて、今回の総会はアメリカ大統領選挙の直後に開催されているという大きな意味を持っています。今回の大統領選挙の争点はブッシュ候補の唱える「イラク戦争継続・世界を支配する一国アメリカをめざす」のか、ということが問われました。結果はブッシュ候補が辛勝しましたが、ブッシュ大統領の「言いなり・追随・忠犬ハチ公」の小泉政権はより憲法改悪・海外派兵・武器輸出の道を進めていくことが懸念されます。
のちほど確認していただく『アピール』の中でも引用していますが、昨年の『平和憲法を考える」講演の冒頭、品川講師は日本のあり方について三つの座標軸を指摘されました。
この指摘はその後の情勢の展開と照らしても的確な指摘でした。
これからもこの言葉をみんなの心の中に留めおきたいと思います。
品川講師は講演の『日本の国家目標は何であったか』の中で『平和憲法は国土の均衡ある発展を実現した』と言われながらも、それが今日、国・自治体・ゼネコンによる「公共事業複合体』となって経済も政治も支配し、経済の姿をゆがめていると指摘されました。
さらに、品川さんは今発売されているカタログ雑誌『通販生活』で、『憲法9条が変えられると、軍産複合体に国の行く方を預けることになる。公共事業複合体のほうが軍産複合体に比べてどれだけましか」と厳しく指摘されています。
 『9条を改定して、軍を持ってしまえばあっという間に軍産複合体が権力を握り、行政を支配するアメリカのような構造になってしまう。防衛予算も拡大の一途をたどり、その次には武器輸出3原則を必ず変えるでしょう。そしてますますアメリカに従属するようになります」とも指摘されています。この『通販生活』は130万部も売れているそうですから大変な影響力を持っています。
今年のアピールでは品川さんの言われた"座標軸"に対応して、損保革新懇なりの立場から損保産業の"座標軸"を整理しています。
それは第一に損保産業が世界の平和と日本経済の健全な発展とともに発展していく平和産業であること。
第二に国民生活の安心と安全を担う産業であること。
第三にそこで働くものはこの産業に対して誇りを持っていることの三点です。
第一の"座標軸"からもイラク戦争反対・9条改悪反対の論拠が生まれます。
この意味でもアメリカ大統領選挙の選挙結果が私たちの運動と直結していると言えます。

第二の"座標軸"に関してみなさんに訴えたいことがあります。
先日来の集中豪雨・台風・地震で各地の被災者は大変困難な状況の中で生活を送っています。
まさに損保の役割発揮の時で、損保労働者も損害調査・保険金支払いなどで奮闘しています。
みなさんもさまざまなネットワークの中で被災者に対する支援・カンパ活動に応じられていると思いますが、世話人会として各地の被災者に対するカンパをこの会場で訴えるものであります。
今年8月『大阪損保革新懇第3回広島平和ツアー』の岐路兵庫県出石町を訪問しました。
奥村革新町長から出石の歴史・観光・産業などについてお話を聞きました。
出石町は来年4月、豊岡市に統合されますが、町長は『統合されても出石ブランドを残していきたい」と力強く語られました。
その出石町が今回の23号台風で大きな被害を受けました。
あの美しい小さな城下町の街並み・家屋・水田・田園風景が水浸しになっているテレビニュースに胸が痛みました。
陣頭で奮闘されている奥村町長をはじめ町民のみなさんにわれわれとしての気持ちを送りたいと思います。
総会終了後、仲間がカンパ箱を持って立ち増すので、皆さんの絶大なるご支援をおねがいいたします。

最後になりましたが、本日の記念講演講師の斉藤貴男さんを紹介したいと思います。
世話人会では今年の総会講師をどなたにお願いしようかという議論になりました。
複数の世話人から斉藤さんの名前が挙がりました。
世話人会で何冊かの著書を読ませていただいて、最近のマスコミやジャーナリストが右寄り・体制迎合的になっている中で斉藤さんがはっきりと物事を見て、発言されていることを知りました。
文庫版の『機会不平等』の解説の中で経済アナリストの森永卓郎氏が、『この本は私がこの10年間に読んだ無数の本の中でもベスト3に確実に入る」とは書いておられます。
森永氏は過去二回われわれの講演講師にお願いしたことがありましたが、日程がどうしても合わずに見送ったいきさつがあった人です。この方がこのような斉藤評をされているわけです。
この間、松浦世話人が窓口になって斉藤さんに講師のお願いをして、大変ご多忙な中大阪での講演が実現しました。
斉藤さんは1958年東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後イギリスで修士取得後、新聞記者、週刊誌記者として活躍。
現在はフリーの辛口ジャーナリストとして活躍されています。
多くの著書の中、3冊を会場に展示しておりますので、ぜひお買い求めくださいますようお願いします。
それでは斉藤さん、よろしくおねがいいたします。