2004年11月5日

大阪損保革新懇2005年度・第7回総会アピール

"座標軸"持ち、7年目の革新懇運動を広げよう
 
私たちは昨年、結成以来5年間の活動の総括を踏まえ、「さらに"革新懇らしさ"の運動をすすめよう!」と呼びかけ、6年目の活動に入りました。
活動のスタートは、「平和憲法を考える」記念講演(講師:経済同友会終身幹事・品川正治氏)から始まりました。
講演冒頭、品川講師は"三つの座標軸を持とう"と、
「自らが国の主権者であることを自覚しよう」
「日本をどうする、どういう日本が望ましいのかという立場で考えよう」
「広い道の真中に立って、前方をしっかりみつめよう」
と指摘されました。この3点の指摘が重要なものであったことが明らかになった一年でした。
 私たちは、総会アピールで「平和憲法とりわけ憲法9条は日本と日本国民が世界に誇るべきものです。私たちは憲法改悪を許すことはできません。」と呼びかけました。おりしもアメリカによるイラク戦争の泥沼化がすすみ、小泉連立内閣は憲法違反の自衛隊のイラク派兵を強行しました。さらに日本を戦争のできる国にしようとする憲法改悪路線が浮き彫りになってきています。

 この6年間、私たちは、「21世紀の損保産業のありよう」を問いかけ、さまざまな取り組みを進めてきました。その結果、私たちの主張は、
(1)損害保険産業は、世界の平和や日本経済の健全な発展と国民生活の向上と共に成長し、この発展と向上を支える産業であること
(2)産業の精神である「一人は万人のために、万人は一人のために」を原点に、社会性・公共性を発揮する産業として発展し、国民生活の安全と安心に役立つこと
(3)損害保険従事者の願いは、産業の誇りを持って働きがいのある生活と人生を送ること です。
 この三つは私たちの損保産業に対する"座標軸"となりました。
この6年の運動を通じて私たちが到達したこの"座標軸"は、今日の損害保険産業のありようをますます問う内容であることが明らかになってきています。
 今年相次いで日本列島に襲来した台風、そして中越大地震は、多くの国民・契約者に大きな損害を与えました。いま、まさに損害保険産業がその社会的役割を発揮すべき時です。

今日の損害保険産業は、市場原理万能主義のもと、巨大さを競うかのように大型合併があいつぎました。この10月東京海上と日動火災が合併し、あらたに巨大損保会社が生まれました。
 損保の職場は、「際限のない過当競争とシェア−競争に明け暮れ、大規模なリストラ・人減らしを進めています。その結果、サービス残業・長時間労働・休日出勤などが恒常化し、賃金合理化も重なり、モラルの低下を含め私たちの働く条件は著しく悪化しています。」(第6回総会アピール)の状況が続いています。さらに最近の特徴は女子労働に対する攻撃が顕著になっていることです。賃金体系の大改悪、時給制への移行と大幅な賃下げ、雇用形態の契約・派遣・パート化が進行しています。また男女を問わず仲間の退職もあいついでいます。
今最も憂慮すべきことは、この流れの根底に利潤第一主義があることです。
現実に「勝ち組」がますます恩恵を受け、「負け組」は切り捨てられて当然とする「強者の論理」がまかりとおり、人間の価値がすべて"利潤"というものさしではかられる産業・社会に変質してきています。
しかし、この流れの先に損保の、私たちの未来はありません。
私たちは引き続き、大企業の社会的責任と、働く者すべてが大切にされるルールの確立を強く求めていきます。

 21世紀はまだ始まったばかりです。政府・財界は彼らにとって都合のいい政治・経済・社会・労働体制づくりをめざしていますが、同時にこのような流れにストップをかけ、世界と日本の平和、国政や経済の民主的なあり方を求める広範な運動も強まっています。
いま、全国津々浦々で「平和憲法を守れ!」の運動が広がるなかで、日本を代表する知識人や作家によって「9条の会」が発足したことは、私たちの大きな励ましとなるものです。
 引き続き私たちもこの大きな流れの中で多くの幅広い人々と連帯・行動し、感動・勇気・元気を分かち合おうではありませんか。
 
現在、私たちのホームページは5300のアクセスに達しています。このホームページは全国の仲間への情報発信であり、共有でもあります。もっともっとホームページを知ってもらう、開いてもらうよびかけを強めていきましょう。
 私たちは、損害保険産業のすべての労働組合が、損害保険で働くすべての人たちの雇用と労働条件を守り、産業の民主的な発展に努力・奮闘されるように協力・共同していきます。
 私たちは、「仲間の良心のより所」として職場に根ざした大阪損保革新懇のさらなる成長をめざします。
 「働いて良かった」と言える産業・企業、「生きていて良かった」と言える社会・人生を築いていくために、ともに手を取り合い、力を合わせて展望のある未来を切り開いてゆこうではではありませんか。
 私たち大阪損保革新懇の運動に、一人でも多くのみなさんが参加されるよう心から呼びかけるものです。

2004年11月 5日
21世紀の平和・民主主義・革新と損保の民主化をめざす大阪損保革新懇話会                  大阪損保革新懇第7回総会