大阪革新懇2007年年次総会への発言
大阪損保革新懇事務局長 野口英機
07.9.29
大阪損保革新懇事務局長の野口英機です。私たちは10月19日に第10回年次総会を開催し、記念講演として牛久保秀樹弁護士を招いて「ディセントワーク・人間らしい働き方ー自由と平等と働く人の生活の安全保障を」の講演をうけ、128名の参加で成功をおさめ10年目の活動に入りました。私はこれからのたたかいについての決意をのべたいと思います。
大阪損保革新懇は。現在会員は毎年会費を更新し、300名を超え、現役とOBで50:50、男女比率は60:40の割合です。8つの職場革新懇に所属する会員と個人会員にわけることができます。私たちは損保産業では全国で最初の革新懇でしたが、その後各地で革新懇が誕生し、さらに2004年に著名人のよびかけによって「9条の会」ができ、各地で損保9条の会も結成されました。この仲間と友好・連帯が発展しています。
2002年から自前のホ−ムペ−ジを開設し、現在アクセス1万を超えています。
2004年には損保に働く女性が中心となってホ−プネットという組織が結成され、姉妹組織として協力共同の関係にあります。 私たちの革新懇ニュ−スも年間ほぼ10回発行し現在87号で会員の倍以上を普及しています。
広島平和バスツア−は3回実現し、2005年には憲法改悪反対署名6600筆を達成し、そして8・6宮島にて経済同友会終身幹事の品川正治さんを招いて損保広島平和集会を全国の損保革新懇・損保9条の会9団体で共催し150名が結集しました。
昨年はブックレット『私たちも憲法改悪に反対します−世界と日本の平和と損害保険産業−』を刊行し、編集は私たちが行い、全国の損保革新懇と損保9条の会の13団体が協賛し、1部500円の頒布で7000部を全国の仲間に普及しました。
今年は2か月に1回講演会を開催し、1月にジャ−ナリストの一宮美成さんを招いて「大阪市の闇を暴く」、2月と5月にはイラクの子どもを救う会の西谷文和さんを招いて「報道されなかったイラク戦争」について映像を活用しての講演会を開催するなど多くの仲間の参加で成功しました。
昨年の総会は、安倍内閣の誕生した直後でした。今年は福田政権誕生直後です。内閣の顔ぶれも安倍前内閣の留任者でアメリカ追随路線・改憲主義派・構造内閣推進派です。福田総理みずから「背水の陣内閣」というとおり、後はありません。
その後福田総理と民主党小沢代表が密室による党首会談で連立政権協議を行なったあと辞任表明、さらに続投表明するなど参議院選挙の国民の審判をないがしろにする行動をとりました。
この数年、アメリカ言いなりの日米保険協議の結果、損保産業では大型再編・合併が続き、金融・保険に自由化、新自由主義・市場原理主義型の競争がますます激しく繰り広げられています。
大手会社を先頭に各社は損害保険産業の本来の社会的役割発揮は二の次とし、収入保険料拡大・利益追及・代理店制度破壊・従業員削減・労働条件改悪・雇用制度流動化などあらゆる面での「効率化・合理化」を追求しています。
今年東海日動・損保ジャパン・あいおい損保・日本興亜の損保大手4社が金融庁から業務停止命令をうけるという異常な事態となりました。
このような事態に対し、2月と5月には『今こそ損保の社会的役割の発揮を』と題しての「損保産業と平和を考える大学習会」を開催し、のべ233名の仲間が参加し大きな成功をおさめました。
保険金不払いに象徴される損保産業の歪みの原因が、利潤第一主義による「雇用の劣化」にあると解明し、真に「社会的責任」をはたさせるために、現場から声をあげ行動しようと訴え、大阪損保革新懇特集号を発行し職場の仲間、0B、代理店などに2000部を普及し大きな共感をえました。
私たちは、当面の具体的な活動として3つのたたかいを取組んでいます。
1つは東海日動社の外勤社員制度廃止の提案に対し、「関西日動外勤をかたせる会」に団体加入し、制度と雇用を守るために会員が宣伝・抗議活動に大いに参加し、3月に東京地裁で全面勝利しました。たたかいは高裁にうつっていますが引き続いてたたかいます。
2つめは日本興亜損保が、就業中の喫煙・談笑・化粧直しが「私的時間」とされ、男性60分、女性20分が実労働時間から差し引かれるシステムが実施されたため、神戸SCに働く田崎博美さんが残業時間を実態どおり申告し、「私的時間」をゼロにしたところ上司が「パワ−ハラスメント」的な言動により、精神的ダメ−ジをうけ休職となり治療中です。
彼女はパワハラのない明るい職場をつくりたいと決意し裁判に立上がりました。
私たちは、彼女の勇気ある態度に「田崎博美さんともにたたかう会」を立ち上げ、私が会長になり革新懇としても積極的に支援し、現在大阪地裁で12回目の裁判が進行しています。
すでに休職し1年7か月が経過していますが、身体も元気に回復しつつあり職場復帰めざしています。
この間女性たちが中心になって「負けるもん貝」のストラップを販売し50万円の資金を調達しました。私たちも大いに支援します。
一方日本興亜社の兵頭社長は、10月の社内報で[セクハラ・パワハラは絶対許さない。当社の信頼回復への取組みを阻害するばかりでなく、企業イメージの悪化と信用を失墜をもたらす許されざる行為だ」と宣言しました。私たちは社長の談話どおり直ちに田崎博美さんの提訴に応えることが解決の道だと主張してたたかっています。
3つ目のたたかいとして、代理店制度破壊による大手損保子会社における上司のパワハラによって「うつ状態」の病気・休職となった高田橋さんのたたかいです。ご本人は病気療養中ですが人格権侵害は認められないとしてたたかうことを決意し、私たちに相談し、地域労組に加盟し今たたかいに参加しています。
どれも巨大な金融大資本を相手にいどむたたかいですが、損保産業にはたらくすべての雇用と労働条件を守り、人間の尊厳と誇りをかけたたたかいです。
損保産業における革新的組織として今年も職場に衣拠して奮闘していきます。
情勢について、品川正治さんは今回の参議院選挙について「国民が国のあり方について主権が発動した」と言われているとおり、まさに国民が主人公の時代が到来しています。
「平和・民主主義・国民生活向上」実現の革新三目標を掲げる革新懇運動がいよいよ真価を発揮する時代です。総会アピ−ルで「いよいよ革新懇の出番 充実した活動をやり抜こう」を合言葉として10年面の活動に入ります。そして来年の総会は結成10周年の記念すべき総会となりますが、すでに品川正治さんの講師の内諾をえています。今月26日は私たちの事務所に立ち寄り多くの仲間の参加で[品川正治さんを囲む夕べ」を企画しています。
これからの1年間充実した活動を展開する決意を申しのべ発言とします。